彼と彼女の事情



ここは13世紀のイギリス西ロンドンの大きな街。
そこに佇む大きな一軒家に彼女はいた。
彼女の名前は 、この一軒家の持ち主でイギリスでは一二を争うほどの、大金持ちの
ノブッキー 伯爵の娘であった。

そしてここにももう一人、彼の名はハルイチ、同じく大金持ちの父親を持ち、27という若さ
で事業に成功し、今は鉄筋工場を日本各地に構えているほどの実力だった。
そんな彼にも人には見せられないもう1つの顔があった。今イギリス中を騒がしている切
り裂きクリスティーナその人だった。
切り裂きクリスティーナは男なのか女なのかはわかってはいないが、その顔を見たもの
は誰でも虜になってしまうのだという。警察も性別がわからないため、捜査はいきずまっ
たままらしい。

そんな二人が出会うのはある晩のことだった。

はいつものように窓を開け、夜風を受けながら月を見ていた。静まり帰った街は月明に
照らされてとても神秘的だった。
そんな風景に見とれていた だった、そんなときだった。月明かりにシルエットが映った。
マントを風になびかせ、軽やかに屋根から屋根へと飛び移る姿はいかにも切り裂きクリス
ティーナだった。


「あっ!」


仮面で顔を覆い、黒いマントで体を隠し、逃げるように去っていく姿はとても綺麗だった。
仮面からのぞかせた目は黒く光り輝いていた。


「なんて綺麗な人なの・・・」


追われているのか遠くの方で警察が馬に乗ってやってくるのが見えた。

そして次の日の新聞に昨夜の事件が大々的に載せられていた。
‘‘切り裂きクリスティーナ、今度は車会社の社長令嬢をねらった!!’’
そう大文字で書かれていた。
記事にはこう書かれてあった、‘‘警察の厳重な警備にもかかわらず切り
裂きクリスティーナはまたもや同じ手口で体を数カ所切り付けてた。当の
被害者は夜遊びの帰りだったとか。
これに対して父親は「しっかりと教育しておけばよかった」と自分自信を重
く問い詰めていた。’’


「お嬢様、お手紙が届いております」


新聞を読み終えたときひつじが手紙を食堂に持ってきた。差出人は不明、
それを見たとき はすぐに父親には見せなかった。
なにかと心配性な父にこんな手紙を見せてはすぐに捨てられてしまうし、
少なくとも一週間は部屋に閉じ込められる。手紙はその場では開けず、
部屋に戻ってから封を切った。中にはカードが一枚入っていた。


「貴方の大切なお嬢様の命を頂に参ります。時は7/21の真夜中の1時。  切り裂きクリスティーナ」


それは紛れもなくあのクリスティーナからの予告状だった。それを急いで
引出しの中にしまいこんで は予告状を隠した。

そして7/21の真夜中の1時、屋敷は当に静けさを保っていたが1つの窓だ
けが開け放されていた。まさしく の部屋だった。
静かな街を今日はいつもと違う気持ちで は月明かりに照らされ遠くを
見つめていた。
まもなく時は一時になろうとしていた。そして時計は静かに時を告げた。
だが時間になったというのに、いっこうに切り裂きクリスティーナは現れな
かった。 は待ちくたびれて寝てしまおうと思ったそのときだった。                                               近くでマントを翻す音が聞こえ、そして月明かりに映し出された自分のシ
ルエットを覆いかぶすようにそれは現れた。
驚いた は後ろを向くと、そこにはこの間のように黒いマントを身にまと
い、仮面で顔を隠した切り裂きクリスティーナがたっていた。


「今宵は貴方の命を頂に参上した」

「き、切り裂きクリスティーナ・・・」

「やけに今日は警備が薄いが、なめられたものですね」


そうクリスティーナはボソッというと をマントで覆いかぶせ、短剣をの喉
へと突き立てた。


「貴方は望んでいるでしょう?この私に命を奪われる事を・・・」

「ど、どうしてそう思うの?」

「うわさによると君は人生に生きがいが無いと聞いた」

「・・・・・そうね。こんな人生早く終わらせた方がいいわね、セックスしないで
死んだほうが綺麗な感じでいいし」

「・・・だったらこうしよう」


クリスティーナは を抱え窓ごしにたった。そして何処からか一枚のカード
を出すと、それをベットの上へ投げた。たぶんそれは盗みが完了したと言うメ
ッセージだろう。


「な、なに?!」

「生きながらの死を味合わせてやる」


黒い悪魔はそう耳元でささやいた。


「少し怖いかもしれないがしっかり捕まっていてください」


そういって指笛を一吹きすると何処からか車が現れ、用意していたロープで
下へと降りていった。車の運転席には男の人が乗っていて、二人が乗るとす
ぐさま車は動き出した。


「あの、今から何処へ?」

「私の家だ」

「あの、クリスティーナさん・・・」

「私はその名前は気に入ってはいない、私の名前はハルイチ、それ以外の
名前では呼ばないで欲しい」


その目は何処か寂しげな目をしていた。 









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あとがき

一話目は別に裏って感じじゃなかったんですが、この後から切なく
そしてエロい物語に変化を遂げるでしょう。次回をお楽しみにv